フランス駐在ブログ┃春のボルドーと伝統菓子カヌレ
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ロックダウンが段階的に解除されてきたフランスでは日常が戻りつつあり、街中を走るトラムにも人が戻ってきました。
ボルドーは地下鉄(メトロ)、バス、レンタル自転車など移動手段が豊富ですが、中でもトラムは大きな窓から景色を眺めながら移動ができるお勧めの交通機関です。
2021年現在、市内のトラム駅は24駅にもなり東西南北どこに行くのにも便利です。歴史的な建造物の景観を損なわない地表給電式の現代的な作りとなっていて、架線がない美しいスタイルが特徴です。
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市内を散策していると赤い色(ボルドー色)が目印のカヌレ専門店をよく目にします。ボルドーはワイン発祥地として有名ですがカヌレ(Cannele)の発祥の地でもあります。
カヌレは外はカリカリ中はしっとりとした食感で、バニラの甘い香りが魅力的なフランスの伝統的な焼き菓子です。
実はカヌレはワインと深い関わりがあり、ワインの製造工程の中で純度の高いワインを作るためのコラージュという作業で卵白を使用するのですが、余分な黄身を活かせるお菓子としてカヌレは生まれました。
カヌレの歴史は古く、18世紀にボルドーの女子修道院の修道女たちが作り出したと言われています。フランス革命により一時カヌレのレシピは消失したとされましたが、民間に受け継がれ、20世紀にはパテシエにより改良をされて現在の姿になりました。
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5月のボルドーの平均気温は16度と過ごしやすく、ショートパンツにタンクトップといったすっかり夏気分な服装で歩く人も見かけます。ちなみにフランスは美白よりもこんがり日焼け肌に憧れる人が多い傾向があり、日傘をさして歩く人に出会うのはとても珍しいです。
外が心地よいこの時期の晴れた日は風を感じながら名物のカヌレを楽しむのがボルドーの至福のティータイムです。忙しい毎日ですが自然を感じながらホッとする時間も生活に取り入れてお過ごしください。
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次回フランス駐在ブログお楽しみに。