離乳食の進め方|初期・中期・後期・完了期
楽しんで食べてほしいけれど、まだ小さな赤ちゃんになにかを食べさせるのはちょっと怖い…これから離乳食を始めるご家族は、そんな不安もあるかと思います。消化器官が未熟な赤ちゃんに離乳食を食べさせる際には、どのような点に気を付けたらいいのでしょうか。この記事では、離乳食を進める際のポイントや注意点を、初期・中期・後期・完了期それぞれの段階ごとにご説明します。
■安全に離乳食を進めるには?ポイントと注意点
赤ちゃんの身体に負担がかからないよう、離乳食をなるべく安全に食べさせるためには、次の点に注意するといいでしょう。
・どんな食材であっても少量ずつ試す
小さなスプーン1杯から始めてください。
・必ず加熱する。
果物も「湯がく」「蒸す」などの方法がおすすめです。殺菌作用がある上、アレルギーを引き起こしにくくする効果もあります。「刺身」などの生魚は、離乳食期には避けるようにしてください。
・最初は味付けなしで。
塩分や糖分は赤ちゃんの内臓に負担をかけてしまうため、離乳食に砂糖や塩、しょうゆを使うのは後期以降にしましょう。初期の段階では味付けなしで食べさせていき、調味料などはあくまでも徐々に慣らしていくようにしましょう。
・最初は油を使わずに調理をする
後期あたりから、無塩バターやオリーブオイルを使うことができます。これも微量からスタートです。
・「赤ちゃんに与えてはいけない食べ物」を把握しておく
以下のものは、離乳食に利用しないようにしましょう。
・はちみつ・黒糖・黒砂糖(ボツリヌス菌がいる可能性、加熱しても死滅しない)
・青魚(アレルギーが出やすく食中毒のリスクが高い)
・お餅・弾力のあるゼリー・ナッツ類(噛み切れず喉につかえる可能性がある)
■初期の離乳食(5ヶ月から6ヶ月)
・回数…1日に1回を目安に。
・離乳食の内容…「すり潰したもの」が基本。味付けは必要ありません。
・メニューの例…全粥、潰した温野菜、慣れてきたら潰した豆腐、加熱して潰した白身魚など。
・量…スプーン1杯程度
この時期の離乳食は栄養素を取るというより、「母乳やミルク以外にものに慣れさせる」という意味合いがあります。そのため、まだたくさん与える必要はなく、嫌がるようであれば無理をする必要もありません。母乳やミルクを制限しないよう進めましょう。
■中期の離乳食(7ヶ月から8ヶ月)
・回数…1日に2回を目安に。
・離乳食の内容…「赤ちゃんが舌で押し潰して食べられる程度の固さ」の食べ物。調味料を使わなくてもよいものがおすすめですが、ときどき微量に使っても大丈夫です。
・メニューの例…5~7倍粥、柔らかく煮て細かく刻んだ野菜、加熱した豆腐を小さく切ったもの、細かくほぐした煮魚・蒸した魚など。少量の無塩バターやオリーブオイルも利用できます。
・量…お粥50~80g程度、野菜や果物20~30g程度、その他おかずを一口ずつ、数種類。
■後期の離乳食(9ヶ月から11ヶ月)
・回数…1日に3回を目安に。
・離乳食の内容…「赤ちゃんが歯茎で潰して食べられる程度の固さ」の食べ物。「手で持って食べる楽しさ」も味わえるようなスタイルもいいでしょう。
・メニューの例…5倍粥、よく煮て1~2㎝にカットしたうどん、柔らかく煮たスティック状の野菜(手で持って食べるため)、柔らかく煮てカットした煮魚・蒸した魚、挽肉も利用可能。少しであれば味噌やマヨネーズも使えます。
・量…お粥80~90g程度、野菜や果物30~40g程度、その他おかずを3~4口ずつ、数種類。
ヨーグルトなどの乳製品は80gくらいあげても大丈夫です。
■完了期の離乳食(1歳から1歳半)
・回数…1日に3回を目安に。補食(おやつ)をあげても大丈夫です。
・離乳食の内容…「大人と同じようなメニューを、薄味で柔らかくしたもの」と考えて問題ありません。おやつは牛乳やフォローアップミルク、甘さの少ない乳児用ビスケットやおせんべい、バナナなどの果物。
・メニューの例…柔らかく炊いたご飯、柔らかめのパンなどはそのままでも大丈夫です。柔らかめに煮た野菜であれば幅広く使えます。魚や肉も可能ですが、塩分や脂肪分は控えめにしましょう。大人用のおかずでも、お湯で塩抜きや油抜きで対応できます。
・量…ご飯80~90g程度、野菜や果物40~50g程度、その他おかずを5~6口ずつ、数種類。ヨーグルトなどの乳製品は100gくらいあげてもかまいません。
離乳食は大人の食事よりも決まり事が多い…と不安になるかもしれませんが、「お粥が基本、少しずつ食べられるものを増やしていく」ということだけ押さえてチャレンジしてみましょう。新しいものを食べさせるときだけ注意して、少量を心がければ大丈夫です。少しでも不安な点やわからない点があるものは食べさせないようにして、「いままで大丈夫だったもの」を食べさせるようにしてください。赤ちゃんは成長していくにつれ、食べても大丈夫なものが日々どんどん増えていきますから、赤ちゃん様子を毎日しっかり観察しましょう。
最初のうちは好き嫌いが多い場合があります。「昨日は食べてくれたのに、今日は全然食べない」というふうに食べ方に差のでる時期もありますが、よくあることなのであまり心配し過ぎないようにして、じっくり取り組んでみてくださいね。